ホラ吹き男のホラーな夜
三十路男!12歳年下の娘との恋愛体験談
暗い部屋の中でモニターの光に包まれながら、私は一人「詩」を書いていた。
「これから会える娘いない?ドライブでもどうかな~?秘密厳守は自信ありますよ!」
…という詩を。
と、まぁつまり、その日もいつもと変わらず出会い系とYoutubeと動ナビを放浪するネット界の吟遊詩人の生活を営んでいた、その日の私。
使ってる出会い系を総動員して、「会いたい!会いたい!すぐに会いたい!あなた 約束したじゃない 会いたい!」と実にピュアなポエムを書き込みまくる。
この日は、何通かの返事ももらえたので、なかなかの出だしだと言えたでしょう。
そんなピュアな詩人が、出会い系という名の戦場で、つかの間の休息をウォータータイム(水道水を飲んでいたので)としゃれこんでいたのですが、何故かさっきから部屋の鏡が気になる。
ちらちらと視界の隅に移る鏡の鏡面は、脱いだままの服が乱暴にかけられているためほどんど見えない。
もう使わなくなってから久しいその鏡のわずかに見える場所に、さっきから黒い影が写っているような気がするんですね。
冷静を装い、部屋を見渡したところで、ほとんど物が無い虚無的な部屋が広がるばかりで、鏡に映る角度には自分しかいないはず。
私の住む貧民街の夜は風が低くうなるように聞こえるだけ。
こんな出会い系しかやっていない私ですが、もう30過ぎの立派な成人男性。
さすがに、こんなオカルティックなものに動揺するほど愚かではありません。
エロ動画を流しながら完全にリラックスしていた私は、「おいおい!ホラー映画かよ~。(笑)」などと大人の余裕を見せながら、光の速さでエロ動画を停止。
何故なら、ホラー映画だとエロい奴は必ず殺されるからです。
とりあえず、無音は耐え難いので、Youtubeで出来るだけ馬鹿らしいTV(TVチャンピオン)を探して音量を最大に。
しばらくは中村有志の「わわわわわワンちゃんナンバー1!とととととトップぶぶぶりーだーぁぁぁ…」という声を聞きながら、平静を取り戻そうとしたんですが、やはり鏡が気になってしかたない。
見たくない!
見たくない!
見たくない!
見たい!
見たすぎる!
気づくと私は、意思とは別に勝手に体が動くように、椅子に座ったまま足を使って鏡を隠していた服を払いのけていたのです。
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