交通戦争被害者です
原付にはねられました。
すごいね、原付って。かたいね。
目が覚めた私は3階の窓から枯れた紫陽花を眺めていました。
紫陽花の花言葉は「現実逃避」
起きると私は一人ぼっちでした。
携帯には「学校行ってきます♪」といったK美からのメール。学生だったことに驚きを禁じえません。
早くバイトに行かなければ…
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その10分後、私はK美の部屋で「ガラスの仮面」という漫画を読みふけっていました。
悲しむべきことです。恐ろしいことです。
先程階段をおりかけた私は、なにやら人の気配を察知。どうも先日の父親風の男のようです。
このまま玄関に行くということは…
「昨晩、壁をよじ登って、散々娘さんとS●Xした男です。おじゃましました!」
…と大声で叫ぶようなもの。
かといって昨晩と同じ方法は昼間にやると通報されてしまいます。K美はいくらメールを送っても返事がありません。
どうすれば…
そんな私を救ってくれたのが「ガラスの仮面」でした。
今まで読んだことはありませんでしたが、どうやら…
- ガラスの仮面とは…
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役者志望の主人公とライバル(両方女)が紅天女(演技の天才でないと再現できない伝説の演劇。内容は、桃の木になりきる。踊る。etc...)の主役をめぐって、精神的キャットファイトを繰り返す。
…という内容の様子。
はは、たわいもない。しかしそれを読み続けるうち、私の心が叫んだのです。
「たわいもないのはオマエだ!」
…そうか。バイト?なにをちっぽけなことを気にしているんだ、私は…あの頃の俺はこんなことがしたかったのか?…違う!
私は…私は…紅天女になるんだ!
気付くと私は、歌ったり、踊ったり、桃の木になりきったりしていました。
紅天女になってる間だけはイヤなことが忘れられたのです。
「私は紅天女だ~!!…!?…メール?…」
携帯には「帰りは9時頃になります♪」というK美のメール。
「わたしは…わたしは……紅……天…女…」
踊りをやめた紅天女。それは私。
出会い系で会った女の実家で踊る紅天女。それは私。
辺りは夕景。本来ならバイトが終わる時間です。
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